主体性の尊重とあるがままの自由な表現
リトミックの活動は音楽に反応して体を使って表現をしますが、ダンスと大きく違うところは「振付がない」ということ。
もちろんルールと、ある程度の方向性は提示します。
例えば先日ふれあい館の親子リトミックでスカーフを使った表現あそびでは、「そよ風さん」「北風さん」をみんなでイメージ。
そよ風さんはそよそよ優しい風だよね。
気持ちいい風だね。
北風さんはどうかな?
ピューピュー強い風が吹くよ。
冷たくて速いよね。
そのイメージをもとに音楽に合わせて、2つの風の違いを表現してみました。
スカーフをゆらゆら優しく揺らしたり、ブンブン振り回して激しさを表現したり、歩いたり、走ったりして表現する子もいて、十人十色のかぜさんが吹いて素敵でした。
この時、とても表情豊かにスカーフを揺らしてくれていた2歳児クラスの男の子。
「この子実はダンスとか普段は全然自分からやらないんですけど、今日はすごくよく動いてて驚きました!」
とお母様がお話してくださいました。
リトミックの魅力のひとつは、決まった振付ではなく、自分の感じるままを動いて表現できるところ。
人は心が動いた時に表現したくなります。
リトミックでは子どもたちの心が動いて、思わず体を動かしたくなるリズムや音楽を巧みに操り次々に変化させていきます。
その時に自然と湧き出てくる子どもたちの予測力や期待感、集中力など、本来持っている潜在能力が手に取るようにわかるのがとても面白いのです!
子どもたちの主体性が尊重され、ありのままの表現が受け止められる。
そんな時間と空間を共有して、親子の絆を育んでいただけたらと願って活動しています。
人の心が動く瞬間というのはほんの一瞬で、ほんのささやかだったりするのですが、音楽を奏でる中でその瞬間を目の当たりにできると、とても幸せな気持ちになります。
子どもの反応は素直で嘘がないからこそ、ほんの僅かでも心が動く瞬間を逃さずキャッチして次に繋がるような持続可能なものにしていくことを目指しています。