エルマーのぼうけん展

立川のPLAY!MUSEUMで開催中のエルマーのぼうけん展に行ってきました。

アメリカ・ミネソタ大学図書館のカーラン・コレクションが所蔵する
約130点の原画は日本初公開なのだそうです。

70 年以上前に描かれたものなのに色鮮やかに残っている地図や表紙。
鉛筆で丁寧に描かれた細密な挿絵はとにかく繊細で、そして深い愛に満ち溢れていて
心を大きく揺さぶられました。

そして遊び心が溢れた展示の仕方も素敵で
原画に添えられたキャプションには
ワニのしっぽに括りつけた食べかけのキャンディや
トラにあげたチューインガムなどが、さりげなくくっついているのです。

物語のシーンがよりリアルに浮き立ってきます。

館内は子どもも大人も、自分がエルマーになって
冒険していく感覚になれる体験型ミュージアム。

ワニの背中をジャンプしながら川を渡ったり
嵐の中をりゅうの背中に乗って飛んだり
洞窟にとらわれたりゅうをライトで見つけて脱出させたり。
最後は親友のりゅうとのお別れシーンも…

物語の世界観が生き生きと見事に表現されていて、素晴らしい展覧会でした。

リュックいっぱいにリンゴやキャンディ、輪ゴムなど
子どもの身近なあれこれを詰め込んで
それらを使ってピンチを切り抜けていく様子は
ワクワクするし、楽しい気分にさせてくれます。

そしてエルマーのお話の素敵なところは
どんな困難も、嫌なことも対立を選ばず知恵を使って見事に切り抜けていくところ。

図録に作者ガネットさんの生涯のことが書かれていましたが
彼女の人生観や人柄が作品に現れているのだなと感じます。

あるがままの自分を活かして
人生を楽しむ術を身につける。

その姿を物語を通して伝えてくれている1冊です。

展覧会の最後は「ぼうけん図書館」。
世界中の「ぼうけんの書」が集められ
冒険家、写真家、学者、スポーツ選手、絵本作家や文学者…など
挑戦する方々がおすすめする本がどっさり。

PLAY!MUSEUMの展覧会はいつも
絵本をじっくり楽しめる空間を作ってくれるのが嬉しい。
子ども達も絵本コーナーは毎度長居します。

未知との遭遇のワクワクのきっかけに溢れている場所だなと感じます。