ミロコマチコ「みえないりゅう原画展」

西荻窪のウレシカさんで開催中の
ミロコマチコさんの原画展へ行ってきました。

入口のドアには新作絵本「みえないりゅう」のイラストが。

絵本も色鮮やかで素敵ですが原画はとにかく
圧倒される生命感溢れるエネルギーに満ちていて
そして透明感と、ほとばしるリズム感に心を鷲掴みにされました。

絵の具の立体感やかすれ具合から筆が走ったり踊ったりしている様子が
浮き立って来るかのようで音楽を聴いているような感覚にもなりました。

蛍光色がたくさん使われているのに自然の色を感じるのが不思議で
きっと私が知らないだけで南の島にはきっと、
こんなに鮮やかな目が覚めるような色が存在するのかも。

「リズムを感じる」というのが原画を見た時の第一印象。

帯を見ると、

季節やいきもの巡るリズム
その渦はまるで“りゅう”のよう。
目には見えないりゅうをたくさん感じたくて

私は絵を描き、物語を作っているのです。


とミロコさんの言葉が。

伝えたいものがどストレートに伝わってくるのが
表現者としての凄さを感じます。

絵本の中にはミロコさんのインタビュー記事もあり
この絵本が生まれた経緯を知ることができます。


目には見えないもの。
実在しないのにいつも身近に感じるものたち。

私自身、原画を見て感じたリズムと音楽。
その感覚が、ちょうどおもちゃ棚に飾ってある
谷川俊太郎さんの詩にも重なるものがあって
隣どうし並べて飾ることにしました。

なんの物音もしない夜
静けさのかなたからの歌に
ぼく 黙って声を合わせた

娘はこの詩を読んだとき
「かなた」って何?
「だまって声を合わせた」ってどうやるの?
と聞いてきました。

「遠くの方から、静かで耳には聞こえない歌が聞こえたら
どうやって一緒に歌ってみる?」

と聞き返してみると、こころに手をあてて目を閉じて口だけ動かしていました。
子どもの感性は侮れないし、本質をよく知っています。

目には見えないものを感じること、感じようとすること。
五感を研ぎ澄ませた先にある六感。
人の心を感じて生き物や自然に思いを馳せること。

そんな魂を感じさせる1冊の絵本、一篇の詩と出会うきっかけを
子どもたちにたくさん作っていきたいと感じました。